田辺木材ホームの建築について耐火性能
木造住宅は一般的に“火に弱い”と思われがちですが、実は案外“火には強い”のです。木が燃える時は表面が炭化しますが、すぐには芯まで燃えません。火災発生時に家が全焼するまでには相当な時間がかかり、従って避難する時間が稼げることになるのです。逆に強そうで弱いのが鉄です。鉄は熱を加えると急激に強度が低下し変形します。アメリカの9・11テロの貿易センタービルが、突然倒壊したのがその例です。

住宅性能表示制度の『火災時の安全』の概要
①感知警報装置設置等級 ※自住居火災の早期覚知のしやすさを評価 |
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②耐火等級 (延焼のおそれのある部分)開口部 ※窓などの開口部の耐火時間を評価 |
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③耐火等級 (延焼のおそれのある部分)開口部以外 ※外壁・軒裏の耐火時間を評価 |
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※延焼の恐れのある部分とは、隣接する建築物等が火災になった場合に、延焼する可能性の高い部 分のことで、隣地境界線又は前面道路中心線から、1階は3m以下、2階以上の場合は5m以下 の距離にある部分のことをいいます。
外断熱住宅の耐火性能について

外断熱工法の断熱材は、ウレタンやポリスチレン等のパネル状のプラスチック系断熱材がほとんどです。グラスウールやロックウールと比較して確かに火に弱い素材ですが、不燃材の外壁や石膏ボードと組み合わせることによって、十分な耐火性能を発揮させることができます。
また、セメント系耐力壁パネルを施工することによって、より耐火性能が向上されます。
耐力面材には合板やOSB等木材系のものがあります。これらと比較して、『あんしん』は準不燃材料ですので、万一の火災時に『あんしん』使用部分で屋内へ火災が達する時間を延ばすことができます。
■ウレタンフォームは燃焼したとき有毒ガスを出すと聞いたのですが本当ですか?
ウレタンフォームに限らずすべての有機物が燃焼すると一酸化炭素が発生します。
そして火災時にガス中毒死の原因になるのは、この一酸化炭素です。
■解説
ウレタンフォーなど窒素原子を含む物質からは燃焼時にシアンガスが発生するので危険だという声があります。しかし、ウレタンフォームの燃焼試験では燃焼温度が低いときには一酸化炭素が多く発生し、燃焼温度が高くなるとシアンガスも発生することがわかります(図1)。実際の火災では初期の低温段階から、あらゆる可燃物の燃焼により多量の一酸化炭素が発生し、それがガス中毒死の原因になるのです。従って、燃焼に関してウレタンフォームなど窒素含有物質の特異性を指摘するのは正しくありません。むしろ、すべての可燃物から発生する一酸化炭素の問題を忌避した危険な意見と言えます。樹脂系断熱材の中には燃焼条件によりウレタンフォームよりも多くの一酸化炭素を発生させる材料もあるからです(表1)。しかし、私たちは断熱材に限らず、木材や布製品など多くの可燃物に囲まれ、これらの特性を生かせています。ウレタンフォームをはじめとした樹脂系断熱材は不燃内外装材と組み合わせることにより充分な防火性能を得、かつ本来の優れた物性を発揮して住宅の断熱性能向上に貢献します。
火災のリスクを最小限にするには耐火性能の高い住まいにすることが一番ですが、すまい方によってもリスクは減少されます。オール電化住宅にして石油ストーブなどの燃焼系の暖房器具は使わず、家の中から“火”を排除することが最も効果的です。
