田辺木材ホームの建築について結露対策

空気の中には多かれ少なかれ水分(水蒸気)が含まれています。
温度が高ければ高いほどたくさんの水分を含むことができます。

※空気が含むことのできる水蒸気の量(飽和水蒸気量)

●気温 0℃のとき
約5g/㎥
●気温10℃のとき
約10g/㎥
●気温20℃のとき
約17g/㎥
●気温30℃のとき
約30g/㎥

結露発生のメカニズム

結露とは、温かく湿った空気が冷たいものに触れると発生する水滴のことです。

カビ発生のメカニズム

  1. カビは微生物の一種で真菌と呼ばれ、常に空気中に存在しています。
  2. 空気中のカビの菌(胞子)は、空気中に漂っている物質に付着し、条件が揃うと発芽し、菌糸を伸ばし生育し始めます。私たちが見ているカビは、出芽した胞子をみていることになります。
発芽の条件Ⅰ
適度な温度があること(10~35℃)
発芽の条件Ⅱ
栄養分があること(有機物、ホコリ・チリ・垢など)
発芽の条件Ⅲ
酸素があること(呼吸・発酵に必要)
発芽の条件Ⅳ
湿気がある(結露するぎりぎりの湿度70~99%)

※カビは紫外線に弱く、直射日光が当たる場所では生育できません。従って、梅雨時などの湿気が多い時期に北側のジメジメした場所で多く発生します。

※一般住宅で上記の発芽の条件のうち、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲを制御することは困難ですが、Ⅳの湿気を制御することは可能です。それには、結露が発生しない『外断熱工法』の住まいが最も効果的になるのです。

結露の性質

水蒸気は水蒸気の量が少ない方へ動きます。また、人の目には見えない非常に小さな物質で、繊維状の断熱材や障子・襖紙・合板などは通過してしまうので、押入の中や壁の中、その他家の中のあちらこちらに入り込みます。そこに冷たいところがあると、そこで結露が発生するのです。
押入のふとんが湿ってかび臭くなるのは、水蒸気が襖から布団を通過して外壁に面する冷たい壁(ふとんが断熱材の役目を…)に触れて、また空気がほとんど動かないので、特に結露が発生してしまうからです。北側の壁面に置いた本棚の裏側で結露が発生し本がかび臭くなるのも同じ原因です。

表面結露と内部結露

冬の窓ガラスにつく水滴が表面結露です。それに対して、通常人の目には見えない壁の中やいろいろな材料の間でする結露を内部結露といいます。目に見える表面結露より内部結露のほうが厄介なのは、想像がつくところでしょう。

逆転結露

実はこの逆転結露が最も恐ろしいのです。逆転結露は夏型結露ともいいます。結露の発生する場所が冬と逆の場合などです。
例えば、窓の室内側に結露する冬と、窓の外側に結露する夏の場合などです。
夏、エアコンを運転すると室内の水蒸気は減少します。すると外気の湿った空気は室内に入ろうとします。エアコンで冷たくなった壁の内部に外の湿気た空気が入り込んで、結露が発生するケースです。この状況が続くと、気温が高いこともあってカビが発生し、ダニが繁殖してきます。目にみえないので、なおさら厄介です。
その他に基礎コンクリート部分が夜になって冷やされて、そこで結露が発生して土台などが腐食するケースも…、これもまた厄介です。

表面結露と内部結露

  1. 水蒸気の発生を抑える。ガスコンロでガスを燃焼させると、水蒸気と二酸化炭素及びその他のガスが発生します。開放型石 油ストーブも同じなので、オール電化住宅 にするのは効果的です。また加湿器等の正しい利用も大事です。
  2. 正しい換気計画をたてる。シックハウス対策の24時間換気の考え方ではなくて、居 室から床下・小屋裏・壁の中まで、  家全体の空気を動かす換気計画をたてることです。 そのためには、高気密住宅にすることが一番です。  また、工事中であっても床下を換気しなければ、カビが発生することがあります。
  3. 連続した断熱層と気密層の確保。断熱欠損部分や熱橋(ヒートブリッジ)をなくし、 室内と室外との熱が移動するところ をなくす。要は冷たいところをつくらない。  これを考えると高断熱の『外断熱』にするのが最も簡単で効果的です。
  4. 結露しない窓にする。ペアガラスはあたりまえです。高性能樹脂サッシにすること によって、熱の移動を阻止し、ガラス やサッシ枠部分の結露を防止させます。
  5. 外周部の基礎コンクリートを室内と同じ環境にしてしまう。特に土間床からの熱の 移動を阻止する正しい設計と正しい施 工が重要です。これも『基礎外断熱』にする のが最も効果的です。

※充填断熱でこれらの対策をとるには、相当な知識と技術と手間がかかります。結露対策においても、外断熱工法が有効なの はおわかりでしょう。しかし、正しい設計と施工がともなわなければ、欠陥住宅になりかねないので、注意が必要です。

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